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新型、350i Pro Plus導入。

更新日:2021年6月10日

6月9日、スワデンタルCAD/CAMセンターに新型のミリングマシーンi-mes i-core 350i Pro Plusが導入されました。


350i Pro Plusは、我々が主力として使用している350iシリーズの最上位機種で、日本国内の歯科技工所では初めての稼働になります。



2.6Kwの軸出力




350i Pro Plusの特徴は強力な軸出力(スピンドルに使用するモーターの馬力)です。我々が使用しているミリングマシーンでは250iの軸出力が0.6Kw、350iProが1.0Kwに対して350i Prp Plusは2.6Kwの出力を誇ります。外観の見た目は350i Proとほとんど同じですが、スピンドル回りが異常にガッチリしており、またPro plusだけの冷却機構も備え、大変頼もしく感じます。


チタンディスクの加工



このパワーで何を削るかといえば、チタン、およびチタン合金のディスク加工に用います。現在のようにジルコニアが普及していても、さらなる強度を要求する最後臼歯や臼歯部のブリッジなどの症例では依然、金属の使用が求められる場合があります。また、その金属冠の役割は保険適用の金パラジウム合金冠が担っていましたが、最近の異常なパラジウム価格の高騰(1グラム¥11,137)で以前と同様の使用が難しくなっています。



材質としてのチタンの性能を生かす




チタンは生態親和性が良く、丈夫で、レアメタルとしては大量に存在するので価格が安いという、歯科用金属としては理想ともいえる性質を持っています。なぜそれが普及しないかといえば、非常に酸化しやすく(だからこそ生態親和性も高いのですが)鋳造による加工が非常に困難だからです。昨夏の鋳造用純チタン2種の保険導入があって、スワデンタルでもいくらかの鋳造チタン冠を製作しましたが、分厚い酸化膜に覆われた肌荒れのクラウンを見て、果たしてこれで体に良いと言えるのか疑問に思っていました。

ところが形成されたディスクから削り出す場合は鋳造という高熱を加える工程がないため、クラウン表面に不要な酸化膜を形成することがありません。インプラントのパーツにもチタン合金は多用されますが、それらもほとんど機械加工で製作されています。つまりチタン合金の性能を生かしたクラウンを製作するためには(特に我々の技術力では)切削加工することが最善なのです。






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